技術評価

映像に合わせた最適化を、実測で選ぶ。

ストック映像による2種類の評価です。4本の映像全体での画質目標エンコードと、最初の5秒を使ったコーデック・前処理のスクリーニング。お客様の映像で何を試すかを決める材料としてご覧ください。

画質目標に合わせて、映像データを44〜61%削減。

4本の映像全体を対象に、画質目標(平均VMAF 95以上、フレーム別スコアの下位5%点が92以上)を満たす最小のHEVCエンコードを自動で探索しました。H.264 medium・CRF 20の基準に対し、映像データの合計は78.4 MBから33.0 MBへ、57.9%減りました。固定設定のHEVC(slow・CRF 20)との比較では、40〜59%の削減でした。

削減率は、映像の内容、現在のエンコード設定、求める画質基準によって変わります。トライアルでは、お客様の条件で実測します。

お客様の映像で試す

画質目標エンコードを比較する

左はH.264基準、右は画質目標に合わせたHEVCです。プレビューは最初の最大8秒を縮小し、H.264で再エンコードしているため、細部の違いは確認できません。トライアルでは、お客様の映像を元の品質の出力で比較します。

スタジオトーク

基準映像 · H.264画質目標 · HEVC

基準映像のデータ量

10.096 MB

画質目標エンコードのデータ量

4.218 MB

実測データ削減率

58.2%

1回の再生で削減される映像データ

5.877 MB

基準:H.264 medium CRF 20 · 画質目標:HEVC slow CRF 24(自動選択)。平均VMAF:95.88 → 95.56。フレーム別スコアの下位5%点:94.10 → 93.79。18.5秒の映像全体で測定(プレビューは最初の8秒)。

バスケットボール

基準映像 · H.264画質目標 · HEVC

基準映像のデータ量

25.089 MB

画質目標エンコードのデータ量

10.457 MB

実測データ削減率

58.3%

1回の再生で削減される映像データ

14.632 MB

基準:H.264 medium CRF 20 · 画質目標:HEVC slow CRF 26(自動選択)。平均VMAF:97.44 → 95.15。フレーム別スコアの下位5%点:95.12 → 92.85。26.4秒の映像全体で測定(プレビューは最初の8秒)。

夕日のアクション

基準映像 · H.264画質目標 · HEVC

基準映像のデータ量

9.060 MB

画質目標エンコードのデータ量

5.112 MB

実測データ削減率

43.6%

1回の再生で削減される映像データ

3.948 MB

基準:H.264 medium CRF 20 · 画質目標:HEVC slow CRF 24(自動選択)。平均VMAF:97.36 → 96.09。フレーム別スコアの下位5%点:93.95 → 92.36。5.6秒の映像全体で測定。

花火

基準映像 · H.264画質目標 · HEVC

基準映像のデータ量

34.154 MB

画質目標エンコードのデータ量

13.198 MB

実測データ削減率

61.4%

1回の再生で削減される映像データ

20.956 MB

基準:H.264 medium CRF 20 · 画質目標:HEVC slow CRF 28(自動選択)。平均VMAF:99.87 → 97.39。フレーム別スコアの下位5%点:99.68 → 92.14。13.8秒の映像全体で測定(プレビューは最初の8秒)。

いちばん厳しい場面を、等倍で確認する

各映像で、画質目標エンコードのスコアが最も低かった3秒間を、実際のエンコードからピクセル等倍で切り出しました。仕切りをドラッグすると、仕切りの左がH.264基準、右が画質目標のHEVCです。一時停止して、1フレームずつ送れます。ブラウザーで再生するため、切り出した映像は高画質のH.264で1回だけ再エンコードしています。細かな粒状感の判断には注意してください。評価では、自社の映像の元ファイルで確認できます。

スタジオトーク

スタジオトーク:スコアが最も低いフレームの等倍切り出しH.264 基準画質目標 HEVC

映像の4.9〜7.9秒。1920 × 1080のフレームから、960 × 540をピクセル等倍で切り出しています。この3秒間の平均VMAFは94.79、最も低いフレームは92.88。そのフレームから表示します。

バスケットボール

バスケットボール:スコアが最も低いフレームの等倍切り出しH.264 基準画質目標 HEVC

映像の23.4〜26.4秒。2048 × 1080のフレームから、960 × 540をピクセル等倍で切り出しています。この3秒間の平均VMAFは93.89、最も低いフレームは92.13。そのフレームから表示します。

夕日のアクション

夕日のアクション:スコアが最も低いフレームの等倍切り出しH.264 基準画質目標 HEVC

映像の2.6〜5.6秒。1920 × 1080のフレームから、960 × 540をピクセル等倍で切り出しています。この3秒間の平均VMAFは95.64、最も低いフレームは90.58。そのフレームから表示します。

花火

花火:スコアが最も低いフレームの等倍切り出しH.264 基準画質目標 HEVC

映像の1.4〜4.4秒。2048 × 1080のフレームから、960 × 540をピクセル等倍で切り出しています。この3秒間の平均VMAFは95.23、最も低いフレームは91.02。そのフレームから表示します。

同じコーデックで比較:固定設定のHEVCと、画質目標のHEVC

元映像、エンコーダー、プリセット(x265 slow、60フレーム先読み)は同じで、違うのはCRFだけです。コーデック変更の効果を除き、設定を作品ごとに選んだ効果だけを取り出しています。ただし、固定設定側のスコアは目標を大きく上回っているため、これも同等画質での比較ではありません。

固定設定のHEVCと画質目標のHEVCの比較
映像固定設定のHEVC · CRF 20画質目標のHEVC映像データの変化平均VMAF
スタジオトーク8.049 MB4.218 MB47.6%削減97.19 → 95.56
バスケットボール *17.040 MB7.961 MB53.3%削減98.74 → 95.08
夕日のアクション8.505 MB5.112 MB39.9%削減98.48 → 96.09
花火31.832 MB13.198 MB58.5%削減99.87 → 97.39
4本の合計65.427 MB30.488 MB53.4%削減—

* バスケットボールは、探索に使った5秒×4か所のサンプル(26.4秒のうち20秒)での値です。ほかの映像は全体で測定しています。

この結果が示すこと、示さないこと

画質目標エンコードの設定と測定方法
  • 映像全体(5.6〜26.4秒)、元の解像度とフレームレート、8-bit yuv420p。音声は対象外。映像パケットのバイト数を比較し、MBは10進数単位です。
  • 基準:libx264 medium CRF 20。画質目標:libx265 slow、60フレーム先読み。CRFは16〜34の範囲を二分探索で選択。
  • 目標:平均VMAF 95以上、フレーム別VMAFの下位5%点が92以上(libvmaf標準モデル)。バスケットボールは5秒のサンプル4か所で探索し、完成した出力全体で検証しました。ほかの映像は全体で探索しています。
  • どちらの出力も、フレーム番号を揃えて元映像と比較しています。
  • スタジオトークとバスケットボールは平均目標で、夕日のアクションと花火はフレーム下限で設定が決まりました。

画質目標エンコードの測定値をダウンロード(JSON)

これまでのスクリーニング:コーデックと前処理

動きの多い3種類の映像の最初の5秒を、元の解像度・25 FPSで比較しました。今回の映像では、低速H.264設定とHEVC・AV1への変更が、動きに合わせたノイズ除去より有効でした。HEVC・AV1の削減率はコーデック変更による効果であり、hls.aiの前処理による追加削減率ではありません。

スクリーニング映像:H.264とAV1

各映像の最初の5秒。左はH.264基準、右はAV1のCRF 22出力です。比較表示のため縮小・H.264で再エンコードしています。細部の確認には、再エンコードしていない各出力をダウンロードしてください。AV1ファイルの再生には対応したプレーヤーが必要です。

コーデック変更の比較であり、hls.aiの前処理による追加削減を示す動画ではありません。下の表は同じVMAFでの補間値、動画の削減率は表示した出力の実測値です。

バスケットボール

基準映像 / BASELINE処理後 / PROCESSED

基準映像のデータ量

4.947 MB

処理後のデータ量

3.001 MB

実測データ削減率

39.3%

5秒の映像で減ったデータ

1.946 MB

基準:H.264 medium CRF 20 · 処理後:AV1 CRF 22。コーデック変更による削減であり、hls.aiの前処理による追加削減ではありません。 VMAF: 96.89 → 96.90.

元のH.264出力 · 元のAV1出力

夕日のアクション

基準映像 / BASELINE処理後 / PROCESSED

基準映像のデータ量

7.907 MB

処理後のデータ量

5.185 MB

実測データ削減率

34.4%

5秒の映像で減ったデータ

2.722 MB

基準:H.264 medium CRF 20 · 処理後:AV1 CRF 22。コーデック変更による削減であり、hls.aiの前処理による追加削減ではありません。 VMAF: 97.58 → 97.97.

元のH.264出力 · 元のAV1出力

花火

基準映像 / BASELINE処理後 / PROCESSED

基準映像のデータ量

9.453 MB

処理後のデータ量

7.652 MB

実測データ削減率

19.1%

5秒の映像で減ったデータ

1.801 MB

基準:H.264 medium CRF 20 · 処理後:AV1 CRF 22。コーデック変更による削減であり、hls.aiの前処理による追加削減ではありません。 VMAF: 99.84 → 99.87.

元のH.264出力 · 元のAV1出力

同じVMAFでのデータ削減率(推定)

各映像のH.264 medium・CRF 20を基準に、測定した品質点の間で映像バイト数の対数を線形補間しています。BD-rateではありません。同じVMAFでも同等の知覚画質が保証されるわけではなく、目視評価が必要です。

元解像度での比較結果
映像基準VMAF低速H.264HEVCAV1動きに合わせたノイズ除去
バスケットボール
2048 × 1080
96.895.4%削減21.3%削減39.5%削減基準品質に未到達
夕日のアクション
1920 × 1080
97.583.0%削減10.8%削減40.2%削減9.4%増加
花火
2048 × 1080
99.842.1%削減8.4%削減22.2%削減基準品質に未到達

花火の基準VMAFは99.84と上限に近いため、微小なスコア差や補間値の精度を過大に解釈しないでください。

処理時間も含めて評価する

実験した動きに合わせたノイズ除去は、5秒の映像に約71〜73秒を要し、今回の条件では有効な追加削減を確認できませんでした。まずは既存のエンコーダーを含む強い基準で、前処理の追加価値を検証します。

AV1のエンコード時間は約39〜146秒/5秒の映像。ローカルのマルチスレッド実行でクラッシュが発生したため、libaomの単一スレッドで測定しました。製品の本番処理性能を示す値ではありません。

評価条件・測定値の詳細
  • 各元映像の最初の5秒(125フレーム)。25 FPS、元解像度、8-bit yuv420p。音声は対象外。
  • 基準:libx264 medium CRF 20。slow:CRF 18/20/22。動きに合わせた前処理+medium:CRF 18/20/22。
  • HEVC:libx265 medium CRF 18/20/23/26。AV1:libaom cpu-used 8、単一スレッド、CRF 22/26/30/34。
  • VMAFは元映像をデコードしたロスレス参照との比較。FFmpegの標準libvmafモデルを使用。
  • 動きに合わせた処理は双方向オプティカルフロー整合性と画素差で確認し、前後フレームを控えめに混合。
  • ローカル測定環境:Intel Core i9-13900K、Windows。処理時間はI/Oを含む実測値で、管理されたサーバー性能試験ではありません。
  • 5秒の抜粋によるスクリーニングです。カタログ全体、HDR、DRM、音声、字幕、再生端末の互換性はこの試験では検証していません。
バスケットボール — 全測定点
ConfigurationCRFVideo MBVMAFEncode seconds
baseline204.94796.892.39
x264_slow_18186.28398.054.64
x264_slow_20204.75996.984.06
x264_slow_22223.66395.563.65
mc_x264_18186.30696.172.87
mc_x264_20204.82795.112.75
mc_x264_22223.73793.732.57
x265_20204.09897.173.11
x265_23232.77495.042.73
x265_26261.88791.972.58
av1_26262.37595.7844.19
av1_30301.87994.3942.70
av1_34341.43592.1739.19
x265_18185.37598.153.45
av1_22223.00196.9046.20
夕日のアクション — 全測定点
ConfigurationCRFVideo MBVMAFEncode seconds
baseline207.90797.582.35
x264_slow_181810.16698.624.56
x264_slow_20207.83797.724.11
x264_slow_22226.01496.063.71
mc_x264_18189.99198.212.78
mc_x264_20207.68897.062.62
mc_x264_22225.90495.292.45
x265_20206.80797.434.05
x265_23234.65294.803.61
x265_26263.11790.933.24
av1_26264.05396.94110.20
av1_30303.12995.15101.76
av1_34342.31192.5187.04
x265_18188.69998.484.55
av1_22225.18597.97119.05
花火 — 全測定点
ConfigurationCRFVideo MBVMAFEncode seconds
baseline209.45399.842.52
x264_slow_181811.67299.945.03
x264_slow_20209.27099.854.41
x264_slow_22227.38999.334.04
mc_x264_181811.56899.292.96
mc_x264_20209.22398.482.84
mc_x264_22227.35497.182.73
x265_20208.56399.844.20
x265_23236.14398.623.70
x265_26264.34695.103.31
av1_26266.12399.73130.25
av1_30304.89499.35118.91
av1_34343.75397.63107.71
x265_181810.67499.945.00
av1_22227.65299.87146.00

測定値と推定値をダウンロード(JSON)

前処理の研究

スタジオ映像(720p)を使った初期の実験で、同一のH.264設定で比較しています。静止背景の保持とノイズ除去の併用で映像データは13%減りましたが、VMAFは下がりました。領域別FPSでは、データ量が増えています。画質目標エンコードの結果とは別の実験です。

基準映像背景保持+ノイズ除去
18.5秒 · 720p · 30 FPS · 音声なし顔、手、動く物体の輪郭をご確認ください。

基準映像のデータ量

2.614 MB

併用後のデータ量

2.274 MB

実測した合計削減率

13.0%

1回の再生で削減される映像データ

339 KB

各技術の削減結果

各技術を同じ基準映像と個別に比較しています。効果には重複があるため、併用時の13%は各行の合計ではなく、組み合わせた映像の実測値です。

18.5秒の映像1本に対する各技術の検証結果
技術処理内容映像データ量の変化VMAF比較
基準映像通常のH.264エンコード比較基準94.01—
静止背景の保持静止領域を保持し、動きを維持7.95%削減94.04見る
ノイズ除去 · 弱め画面内とフレーム間のノイズを軽減8.37%削減92.64見る
ノイズ除去 · 強めフレーム間のノイズ除去を強化10.75%削減92.28見る
背景保持+弱めのノイズ除去2つの処理を併用12.99%削減92.66見る
領域別FPS+先読み先の動きを確認し、安全な領域の更新頻度を低減5.30%増加93.63見る
選択的な細部の簡略化動きを保護した領域の外側を軽くぼかす0.01%増加94.02見る
低速エンコード · 比較用より綿密な圧縮設定を使用6.30%削減94.12見る

この前処理の実験では、VMAFは正規化した元映像に対する自動画質評価で、数値が高いほど良好です。併用版の評価値は基準映像をわずかに下回りました。同等の知覚画質は、まだ確認できていません。

測定方法

品質評価は両映像のフレーム番号を揃えて計算しています。2026年10月5日にコンテナの時刻丸めによる比較ずれを修正し、VMAFを再測定しました。データ量と削減率は変更ありません。

すべての映像を1280 × 720、30 FPSに正規化し、libx264、mediumプリセット、CRF 23、yuv420pでエンコードしました。比較用の低速エンコードのみslowプリセットを使用しています。音声とコンテナの付加データを除き、映像パケットのバイト数を比較しました。MBとKBは10進数単位です。見出しの13%は、実測値12.99%を丸めたものです。

静止背景の処理では、映像全体の画素変化と24ピクセルの安全余白を使い、保護領域の外側で最初のフレームの背景を保持します。ノイズ除去にはHQDN3Dの空間・時間フィルターを使用し、弱めは4:3:2:1.5、強めは4:3:4:3に設定しています。

領域別FPSでは10 × 10のグリッドと5フレームの先読みで、保持が安全でない領域を判定します。今回の実装ではデータ量が増加したため、引き続き研究対象としています。細部の簡略化はマスクによる単純なぼかし処理で、学習済みモデルは使用していません。映像は連続した1ショットのため、ショット別最適化は個別検証していません。

視聴画質の評価には、比較動画の確認に加え、処理内容を伏せた視聴者評価が必要です。VMAFの参照にはロスレスの正規化元映像を使用しています。同じエンコード設定や近い評価値だけで、同等の知覚画質を証明することはできません。並列比較動画は再エンコードしたプレビューで、測定サイズは各処理の単独動画の値です。

測定値と処理時間の全データをダウンロード

お客様の映像で、お試しください。

ここに掲載した映像は、お客様の作品ではありません。トライアルでは、お客様が決めた画質目標で、現在のエンコード設定を基準に画質・データ量・処理費用を比較します。

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